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いろんな企画系の仕事をしている30歳の男(ニーヨンロク)が、買ってよかったものとかうにゃうにゃ書きます

【50%ポイント還元】講談社キャンペーン 対象タイトル8300冊記念でおすすめを書いてく

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ここ最近のkindle祭りはなんなんだろうか。1ヶ月に1回は必ずどこかしらの出版社が割引なりポイント還元を実施してる。僕もkindleユーザだから有難いんだけど、他の電子書籍プラットフォームはどうなんだろうか。このままだとamazonの一人勝ちになること必至だ。

 

さて今回は講談社が祭りの主催者だ。僕がおすすめできる本も幾つか対象になっているみたいなので載せてみるとする。(リンクはアフィ用じゃないですw)

 

伊坂幸太郎 ー チルドレン

伊坂幸太郎ファンの中でもけっこーな人がベスト1に挙げるのが本作。「奇跡を起こす」なんてこの時代恥ずかしくて声に出せない言葉を、恥ずかしげもなく声高らかに叫ぶ、陣内という愛すべきキャラを中心にした短編集。デビュー作である「オーデュポンの祈り」はちょいSFだったけれど、これはこのあとに続く伊坂ワールドを象徴する一作。他にもいくらでも名作はあるけれど、まずこれを読んでみてほしい、きっと貴方も伊坂幸太郎を好きになるはずだ。

 

 

平野啓一郎 ー 私とは何か 個人から分人へ

平野啓一郎は「三島由紀夫の再来」と呼ばれた現代を代表する小説家だ。京都大学在学中に芥川賞を受賞し、金髪の風貌も相まって、その当時随分注目された。それからもスランプなどなく、意欲的な作品を立て続けに発表し、数年前に書いたのが本書だ。この本を仕事の合間に読んで、正直僕は救われた。それまで僕は、「学生時代の自分」と「仕事上の自分」のキャラがあまりにも乖離していて悩んでいた。高校時代の友人なら、どれだけ合っていなくともいざ合えば、あの頃の話しで、あの頃の間で話ができる。気を遣うことなんてひとつもない。それが仕事になったらどうだ、急に萎縮してしまって、変にいい子ぶったりしてしまいストレスを感じたりする。本書ではそのような「幾つもある自分」を肯定しなさいと言っている。今まではそれを無理に一つにしようとしたり「本当の自分はこんなんじゃない」と否定したりしたから辛かった。この本を読んでから、色々割り切ったり、区別する方法を身につけられてだいぶ生きやすくなったと思う。

重松清 ー 流星ワゴン

今年、2015年の頭にテレビドラマにもなった本作。重松清の作品は殆どがすごい売れているけど、これはドラマの影響もあってトップ3に入るくらいの売上じゃなかろうか。もちろん本書はそれに負けることのないクオリティの作品で、誰もが一度は思う「あの頃に戻ってやり直したい」気持ちをこれでもかというくらいにくすぐる。余談だが、主人公の永田一雄の故郷である、「広島県福山市鞆の浦(とものうら)」はとってもよいところだ。この作品が好きで以前訪れたことがあるが、時間の波にのまれることもなく穏やかなときを刻む港町だった。

 

奥田英朗 ー ガール

「空中ブランコ」と並んで、奥田英朗の代表作だろう。身近なネタを題材にして、女性の気持ちをこれでもかというくらいに文章に載せている。男の僕でもコレには舌を巻いた、どうしてこんなに気持ちがわかるんだ。ネタバレしないように書くが、本作は短編集でその一篇に「内職をする妻」の話がある。妻は夫のいない日中、内職をしていて週に一度程度、発注元である会社の担当者と会う。長年やりとりのあった担当者が突然辞めて、これまた突然現れたのが昔でいうところの「ギャル男」っぽい、今にも感じの悪い男なのである。最初は毛嫌いしていたのだが、ひょんなことからギャル男の「男っぽさ」を目にしてしまい、異性として意識して…みたいな話である。なくはない気がするのだ。奥田英朗の琴線に触れる才能には、同業種なくとも嫉妬してしまう。

中島らも ー 今夜、すべてのバーで

らもさんである。らもさんは広告業界の出身でかまぼこの広告なんかやっていて有名になった。その当時からとんでもない量のアルコールを煽っていて、本作はアルコール漬けの男が主人公の、半私小説だ。アル中で病院から抜けだして酒をのんだり、二日酔いなのに酒をのんで「腹がぽっとあたたかくなったり」、霊安室のアルコールメチルをのんだりと本当にどうしょうもない主人公なのだが、どんな人間よりも人間臭くて心惹かれる。これまで何度も読んだが、その度に、もうらもさんの文章を読めないことを悲しく悔しく思う。

綾辻行人 ー 十角館の殺人

本格ミステリ作家の島田荘司の推薦を伴いでデビューした作品が本作。新本格ミステリの代表作家の綾辻だが、本作はそのジャンルの金字塔だ。ミステリ作品なので下手に書くことは出来ないが、明らかに海外ミステリを熟読していることが分かる、こなれた文章と無駄の展開、そして懐の深い物語はミステリ好きでなくとも一読の価値は大いにある。文庫本で600-700ページだったが、あっという間だ、読むのを下手に中断出来ないほど引き込まれる、犯人を知りたくなる。

この機会に、僕も読んだことのない作家・作品を手にとってみよう!