ことわざで遊んでみた。(第2回)
〜前回の再掲〜
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一語変えるだけで全く別の意味になったりする日本語ってすごい。
例えば、
「君がすき」の「が」を「は」に変えると、
「君はすき」もしくは「君はすき?」になったりする。
前後に文章があってひとつの文脈の中で処理されればこんなことは起こらないんだけど、文章に規定されない一文の意味はふわふわ漂ってしまうわけ。そこで僕は考えた、自分がつくった任意の一文ではなくて誰もが知っているソレに手を加えたら、より意図が伝わりやすいんではないかと。そうして閃いたのが「ことわざをいじる」ことだ。ことわざなら馴染みはあるし、知らない言葉も意味さえ書いておけば十分に伝わる。幾つかトライしてみたら意外に外へ出せるシロモノな気がしたので。
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ちょっと書いてみるよ。
『逃がした魚は大きい』
意味:手に入れかけながら逃がしたものは、自分のものを失ったように思えて、惜しまれるものだ。取り逃がしたものは、それがどんなものでも、素晴らしいものだったように思えるということ。
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『逃がした魚は大きらい』
意味:失敗した事実へは早々に別れを告げて前を向こうとすること。
用例:誤発注でプリッツを二桁多く頼んだけど気にしないわ。逃がした魚は大嫌いなの。
『知らぬが仏』
意味:知れば腹も立ち、苦悩や面倒も起こるが、知らないから腹も立たず、仏のように済ました顔でいられる。転じて、当人だけが知らないで平気でいることを嘲(あざけ)っていう。
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『知らぬは地獄』
意味:やるべきことを忘れて失敗した人をねぎらう際に用いられる。特に仕事上で平社員同士に用いられる場合が多い。具体的な状況で挙げられるのが、一日に大量に送られてくるメールを見落としていた場合だ。宛先に入っているだけで当人からしてみればあずかり知らぬ内容なので、無視をしていた。数時間後、突然上司から先ほどのメールについて話があり、怒鳴り散らされる。その夜、同期を誘って居酒屋へと繰り出し、この言葉を発する、といったところだ。
用例:「ほんと、知らぬは地獄だ」「なぁ、知らぬは地獄だよ」
『鬼が笑う』
意味:実現性がないことや見通しがはっきりしないことを言ったときに、揶揄(からか)う言葉。
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『鬼で笑う』
意味:普段、強権的独裁的な人物が失敗やドジを踏んだときに、周囲の者が日頃の恨みを晴らすように笑うこと。
用例:「部長にファイルアップしてくださいって言ったら、急に持ち上げ出してさ」「ホントにアップしてどうすんだよな」明と健太は鬼で笑ったのだった。
以上です!