今まで使ってきたマウスについて語る

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マウスを初めて買ってから約12年、そこからこいつの重要性に気付くまでずいぶんかかった。あれは6年くらい前だったろうか、確かMac Proを買ったときのことだ。デフォルトだとMac Proにはキーボードもマウスも付いてなくて（←はっ、てなった）、渋々オプションで付けた記憶がある。ふたつで￥10,000越え、ハードが￥400,000くらいしてるからもはやどうにでもなれって感じだった。
そうしたら本当にどうにでもなった。そう、ソッコーで壊れたんだ。ものの数ヶ月で壊れるなんて、初めて買ったBuffaloのマウスだってならなかったぞ（Buffaloに謝れ！）。調べてみるとどうやら、埃や手垢が内部に詰まって正常に動かなくなるらしい。だから分解してキレイにすんだけど、すぐまた『ちーん』なわけ。流石に何度もやられたら、流石のマカーでも頭にくるよ。

完全に賽の河原状態だもんね。

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だから買ったのよ、マウスを。ロジクールの。（それからロジクールとは長い付き合いになるんだけど、その当時の僕にはそんなこと知る由もない）
買ったのはこんなんだった。画像だとわかりづらいんだけど、けっこーでかい。どれくらいだろう。いったん、握りこぶし作ってみて？たぶんだけど、それよりは間違いなく大きいよ。しかも形がよくある卵型ではなくて、窪みがあるんですねぇ。今は驚きもしないけど、その頃はかなり衝撃的だった。

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http://www.pasonisan.com/pc-i-o/mouse-02-logicool-m500.html

それまで使ったことのあるどのマウスよりも大きくて、しかも内側になにやらボタンまで付いている。たまに2chで「左クリックだけ使ってる奴カス」みたいなレスを目にするけど、それまでの僕は、まさに「左クリック厨」だったからなんでボタンがあるのかもわからないし理解に苦しんだ。ならなんで買ったのかと言われれば、そりゃあamazonレビュアーのみなさんが高評価を付けていたからなわけです。リアルな口コミとか店員の接客コメントとかそんなの全然関係ない、ひたすら尼を信奉しているのですよ。

このマウスはけっこう長生きした、というか山口百恵のように絶頂で引退してもらった。こいつには正直何の不満もなかった、レーザーの精度は高いし僕の巨大な手にはまるナイスなサイズでしかも、値段もまぁ手頃だった。

こんな経験ないだろうか。何一つ不満もない恋人との毎日、でもなぜだか他の人がぼんやりと気になる。大学のクラスで偶然話した人、会社の廊下ですれ違った人。

いつものように僕はamazonでポチポチしていて、リコメンドでマウスが出てきた。そいつは控えめなデザインでボディも慎ましいと呼べるほどこじんまりとしていた。言ってしまえば地味なやつだった、なんだったら今のマウスのがよっぽど「情強」っぽいし自分の肌にも合ってる。なのに、なのにだ。そいつの写真を眺めていると違和感を覚えるんだな。数分眺めてようやく気づいた、そのときはハッとしたよ。さっきの恋愛の話でいうところの、そいつは「今の人にはナイものを持っている」の逆で「今の人にはアルものが」なかったんだ。

無線だったのだよ。

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